狩野友信とともに(2) フォンテーヌブロー宮殿蔵「紅葉に青鳩図」への道  [明治を生きる友信の仕事 縮緬本の世界 フランス語の寓話に挿絵を]

こちらは『ラ・フォンテーヌ寓話選』の翌年 に出版された 『フロリアン寓話選』上下巻それぞれの表紙です。

『ラ・フォンテーヌ寓話選』が、評判が良かったのだと思いますが、同じようなものを作ろうということで、今度はフロリアンの原本を、おそらくバルブトーが日本に持ってきて見せたのではないかと思います。

こちらは、縮緬加工してある和紙の木版で刷った日本画の挿絵と、活版印刷のフランス語のテキストをあわせて、製本し、色とりどりの絹糸で綴じた和本のつくりになっています。フランス人が喜びそうな本です。パリの装飾美術館やギメー美術館にもあったと思います。

表紙をめくると、このようにフランスの本の体裁になっていまして、左側にexemplaire de luxe と書いてあって200部限定で、奉書に刷られたということが書かれています。パリのフラマリオンから出版されて、ディレクトゥールとして、
P. Barboutauという謎の人物の名前が出てきます。

裏表紙を開くと、こちらには和文で、著作者として「仏国人 馬留武當」の名前が見えます。築地居留地51番に住んでいたとあります。画工として狩野友信と梶田半古という二人の絵師の名前が見られます。 当時日本の版画は、絵師、彫師、摺師の共同作業で作られていて、このことはフランス人にもよく知られていたようです。

左側のページが目次です。フランスの本は最後に目次があります。そこに14の物語が並んでいます。

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