サスティナ美容家・クレイテラピスト よさの陽子さん(1987年卒)

フランスから来たクレイ(粘土)とは? その出どころは?どんな力を秘めたもの?

クレイとは、日本語では粘土鉱物のことを指します。ちなみにフランス語ではl‘argileと言います。

抗炎症作用があり、血流促進、皮膚再生促進などの効能を持つと謳われているクレイは、ヨーロッパや中近東などで古くから医療に使われており、古代エジプトのパピルスにもクレイを用いた治療法が記されています。第一次世界大戦では、フランス兵が赤痢の蔓延を防止用に錠剤のクレイを携帯していたそうです。

フランスでは今でもオーガニック系の商店や薬局でクレイの粉やクレイ入りの石鹸や歯磨き粉が置いてあります。

使い方としては、クレイを粉のまま使うこともできますが、代表的な使い方といえば、クレイに水を吸わせてペーストを作りそのペーストでパックや湿布をすることでしょう。

研修でクレイの採掘場を見学しました。外からの異物が入りコマないように土足では入れません。

そんな伝統的に用いられてきたクレイの作用が科学的に裏付けされるようになったのは、イオンの発見と電子顕微鏡の出現でその構造が明らかになってからです。

クレイが
・砂粒の1000分の1の大きさほどの細かな粒子であること、
・ミネラル豊富な層状の結晶であり、表面がマイナスイオンを帯びているため、プラスに帯電している汚染物質や老廃物、放射能などを吸着する働きがあること

などがわかってきたのです。

さて、粘土は世界にあちこちに存在しますが、クレイテラピーや化粧品グレードとして使う粘土鉱物は高い品質が求められます。

私は中部フランスオーベルニュ(Auvergne)地方から輸入しているクレイを使っています。採掘場のある場所は、旧火山のChaîne des Puysのふもとに位置します。Chaine des Puysは、80もの壮大な火山群で、世界遺産にも登録されています。昨今、日本での販売が終了となってしまった Volvic社のミネラルウォーターは、この火山帯で湧き出た水です。

さて、この一帯の火山は何百万年も前から活動し、噴火を繰り返し、周りの地形にも大きな影響を及ぼしました。クレイはこの噴火で流れ出た溶岩が堆積し、時間をかけてゆっくり変性し生成された鉱物なのです。

その純度は非常に高く、ミネラルも豊富。しかもこの一帯は特別保護地区に設定されているので、吸収に優れたクレイが、例えば原子力発電所の放射能や、空中から散布された農薬や土壌に滲出した化学物質などに汚染されることがありません。

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