
卒業後、せっかく学んだポルトガル語を使う機会もないまま長い年月が経ってしまいましたが、数年前からイグナチオ教会のポルトガル語ミサ(第一日曜日)に与るようになりました。そこで出会った高山さんという女性の方は、ポルトガル語学科設立以前、社会人の為の夜間講座でローシャイタ先生に教わった生徒さんです。2007年クリスマスからローシャイタ先生は、ミサ参加者からの献金とご自分のポケットマネーを、ブラジルの最貧困地域の一つリオグランデドスル州ポルトアレグレの子供達の為に、イエズス会の運営する団体に送金する活動を始められました。高山さんは送金のお手伝いをされ、先生が2010年に天に召されてからも個人で送金をされていましたが、ご高齢の為、私達が先生のご遺志を継ぐことにいたしました。
先生の故郷もリオグランデドスル州です。上智大学ポルトガル語学科設立にご尽力され、その他海外宣教者支援や在日ブラジル人への司牧活動もされました。ご自分の母国を離れ、日本に骨を埋められた先生を想い、私達が受けたご恩を少しでも先生の故郷ブラジルにお返しできたらと思います。先生は、気持ちが大事なのでくれぐれも負担のない金額で協力して欲しいと望んでおられたそうです。架け橋のような立派なものでなくても、糸のように細くても丈夫な絆でブラジルと日本をつなぎ続けていかれたらと希望しております。
岸本恵美・中江純子(86年外葡)