上智大学卒業生・ASF2021実行委員長 浜田 敬子さん 在学時代と今の上智を語る

今回は、2021年ASF実行委員長をされている浜田敬子さんに在学時代、そして今の上智の取り組みについてのお話を伺った。

新聞記者になる夢を抱き上智大学へ

現在はジェンダーの問題やテクノロジーと社会の関わり方について取材を続けるジャーナリスト。「世界を知りたい、国際ニュースの現場に行きたい」という思いが芽生えたのは中学生の頃で、その夢を叶えるべく、上智大学へ。国際政治を学びたいと法学部国際関係法学科を選んだ。当初は法律の授業の多さに驚き、英語で書かれた海外の判例を読む課題にはめげそうになったが、のちに日本人初の国連高等弁務官となる緒方貞子教授による「国際組織論」など大きな影響を受けた授業は今も強く印象に残っている。

卒業後は第一志望の朝日新聞社に入社。当時メディア業界の人気は高く、採用されるかどうかは「宝くじに当たる感覚」だった。取材の仕事をするうちに、「さまざまな社会の課題や今起きている事象を考える上で、憲法に立ち戻ることの大切さ」を実感。学生時代に憲法を学んだことが現在の仕事に生きていると話す。

上智大学で鍛えられる発言力 権利生かし社会へ発言力のある人材に

上智に行って良かった理由の1つに「女子の元気が良く、決して男子に臆することなく発言できる環境で4年間過ごしたこと」を挙げるが、男女ともに居心地の良い校風は現在にも受け継がれている。それを象徴するのが昨年から始まった「ソフィアンズコンテスト」だ。ジェンダーの区別やルッキズムを撤廃し、自己発信力を重視したこの取り組みで上智大学は一躍注目を浴びた。コンテストに対し、浜田さんは「学生が自ら声を上げて変えようとした姿勢が画期的」と評価する。現代社会の問題を誰かが変えてくれるだろうと願うことは簡単だが、それでは社会を知ることはできない。自分たちで「声をあげれば社会は変えられるという成功体験を積み重ねること」が重要だと話す。当たり前を鵜呑みにするのではなく、声を発する経験を積み重ねていくーー大学生が意識すべき経験へのヒントをいただいた。 「日本は組織のトップに立つ女性があまりにも少ない」。この思いはASF2021の実行委員長を引き受ける決め手にもなった。大学時代の良い思い出があるからこその決断だったと話す。

ASF 多忙な日々から解放され、大学生に戻れる1日に

今年もバーチャル開催とはいえ、ASFは実施される。この決断に対し、浜田さんは、「ASFは仕事や家庭に忙しいソフィアンが年に1度、学生時代に戻ることができる日。中止や延期にすることは簡単だけれど、開催することに意味があるので、オンラインでも開催できて良かった」と話す。「学生時代を振り返ったり、昔の仲間はどうしているかな」と思いを巡らせる1日にしてもらいたい。


ASF当日は浜田敬子さんによる講演会「ポストコロナ時代の働き方」を放送します。
ぜひご覧ください。

日時:5月30日 12:00~
浜田敬子 講演会 ~ ポストコロナ時代の働き方