par hasardをpas à pasで歩む   ンジャイ林恵美子さん(1994年卒)


◆ 2004年のセネガル駐在から、2012年のブルキナファソ、2015年のマダガスカルと通算8年のアフリカ駐在でした。フランス語専攻だと、個人主義への憧れがあると思うのですが、アフリカ赴任で違和感はありませんでしたか?

それは全くその通りです。フランス語を選んだわけですから、個人主義が前提ですよね。でも、セネガルに住んでみると、大家族での生活も居心地が良くなっていきました。そして、そういえばフランス人もそういうところがあるなと思ったのです。フランス人は、表面上はよそよそしく見えますが、いったんコミュニティに入れると互助的な仕組みがありますよね。そんなところは、似ているんではないでしょうか。セネガルでは連帯意識が高くとも個人は尊重している。日本にもアフリカにも詳しいフランス人の友人がいるのですが、フランスは日本よりもアフリカと似ているのではないかと話していました。

そんなこともあってか、私も若い頃は「先進国」日本から伝えたいことが多いと思っていましたが、アフリカで結婚し家族ができてからは、教えるという気持ちはなくなりました。むしろ、アフリカの人々との「パートナーシップ」が重要だと考えるようになりましたね。「援助」という言葉ではなく、自分にとっては「協力」という概念の方がしっくりきます。アフリカで暮らすうちに、アフリカから学ぶことの方も多いと気づかされました。

アフリカ駐在時のマストアイテム、フランス語辞書たち
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