森下哲朗先生 グローバル化推進担当副学長 インタビュー

プロフィール

森下哲朗グローバル化推進担当副学⻑

法学部教授

住友銀⾏法務部に勤めながら東京⼤学⼤学院法学政治学研究科経済法務専修コース修⼠課程修了後、住友銀⾏を退職し、現在上智⼤学法学部教授

森下先⽣は、一度ご就職されてから大学院で法学政治学を専攻されていたとのことですが、どのような経緯だったのでしょうか?

法学部を卒業後、新卒で銀⾏に入行しました。10 年間勤務していたのですけれども、 4 年⽬と 5 年⽬の時に社会⼈⼤学院に派遣され、2 年間仕事として勉強して、その後再度銀⾏に戻ったという形になります。

銀⾏をご退職されて、教授の道を進むことになったきっかけは何かありましたか?

ちょうど銀⾏に勤めて10年⽬を経過する頃に、上智⼤学から国際取引法の後任教授を探しているということで声をかけていただきました。銀⾏を続けるか、教授になるか、かなり悩ましかったのですが、ちょうど10年だったということや、家族が喜んでくれたこと、⼤学院で研究していたときに将来的に学者になる道についても考えたことがあり、上智大学からのお話を受けました。

今はどのような授業をされているのですか?

主に三つ専攻している分野があり、学部と法科大学院でそれぞれ授業をもっています。

一つ⽬が「国際取引法」で、国際的なビジネスに関する法律問題を扱うものです。二つ⽬は、元々銀⾏に勤めていたこともあり「⾦融法」という授業をしています。三つ⽬は、「交渉学入門」など交渉に関する授業を担当しています。

上智⼤学で教鞭を取られたり、副学⻑として過ごされたりしている中で感じる「上智⼤学の魅⼒や強み、特徴」は何だとお考えですか?

上智⼤学の魅⼒は、本当に優秀な学⽣の方々がたくさんいることだと思います。みなさん発想が⾃由で、こうでないといけないという固定概念がないような印象を受けます。

また、他の⼈の意⾒を斜めから受け取るのではなく、真っすぐに吸収しようとする素直さもあると思います。しかし、もっと上を⽬指してもいいな、と思うこともあります。能⼒がある学⽣さんたちがいらっしゃるので、⾃分の限界を決めるのではなく、大きな絵を描いてチャレンジして欲しいなと思います。

先⽣はグローバル化推進担当副学⻑ということで、どのようなことをご担当されているのですか?

留学プランの策定など留学に関する事項に関わっているのが主な取り組みの一つです。その他にも、海外の⼤学との連携に関する取り組みにも携わっています。上智⼤学にとってグローバルというのはアイデンティティみたいなところがあると思います。上智大学は多くの海外大学との付き合いがあるので、そちらを踏まえてグローバルな部分を伸ばしていくにはどうすればいいのかを考えるのが私の仕事です。

グローバル化推進担当副学⻑として今⼒を入れている取り組みはどのようなものがあるのでしょうか?

上智⼤学のグローバル教育をさらに高いレベルにしていくための取り組みに力を入れています。国内の⼤学に限らず海外の⼤学からも尊敬される大学となること、将来のグローバル社会を担うリーダーを育てていくことが⼤事だと考えています。⼤学としては、学⽣が挑戦できる場、したいと思える場を提供したいと考えています。

現在感じられている課題があれば教えてください。

昔は、グローバル教育といえば誰もが上智⼤学を思い浮かべるといった状況でした。しかし、今ではどの⼤学も、留学や英語教育といったグローバルな取り組みを⾏っています。そうなると、例えば英語の授業をしている、とか、留学⽣がたくさんいる、とか、留学⽣をたくさん送り出しているというだけでは普通になってしまいました。上智⼤学は”普通”であってはいけないと思っています。可能性を持った優秀な学⽣がたくさん集まっていて、しかもグローバルな取り組みの素地があって、先⽣⽅もさまざまなバックグラウンドを持った国からいらっしゃった⽅もいます。やはりもう⼀歩進んだ、もう⼀段、⼆段高いレベルのグローバル教育を提供していけるように何をしたらいいのかということを考えないといけないと思っています。

さらに今はコロナをはじめ、グローバル社会も変わってきていることが問題を複雑にしていると思っています。それぞれの国がすごくマインド的に閉鎖的になっている部分もありますが、他⽅で「やはり世界はつながっている」と思い知らされるような部分もあります。グローバル社会の有り方が変わってきていると思うので、そういった中で「ただ単にその一員です」という立ち位置にとどまらず、新しい時代をリードできるような、社会を良い⽅向に変えていくことができるような教育や研究をしていかなければならないと考えます。

グローバル化推進担当副学⻑として今後取り組みたいと考えていることがあれば教えてください。

私は「プロフェッショナルスタディーズ」という社会人向けのプログラムも担当しています。学⽣の⽅に向かい合うというのも⼤事ですが、それと同時に、社会⼈になっても学び続けて、社会の変化に対応できるスキルを身に着けることも求められる時代になってきています。この点では、上智⼤学が果たしている役割はまだ限られていると思うのです。海外の大学は、社会人教育にもっと積極的に取り組んでいますので、そこも頑張っていきたいです。ソフィア会のOBOGの方々が「上智って⾯⽩いプログラムやっているじゃないか」「⼟⽇使って勉強しに⾏こうかな」、あるいは、会社の役員をされている⽅が「⾃分の社員を派遣して鍛えてもらいたい」などと思っていただけるようなプログラムを提供できるように取り組んで行きたいと思います。

まとめ

森下先⽣の上智⼤学のグローバル化についての熱い思いを知ることができました。本⽇は ありがとうございました。

インタビュー担当:経済学部経済学科 3 年 児嶋眞由

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