卒業生に訊く:村松恭平さん(2008年卒)

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村松さんはフランス語以外に、英、独、伊、露、中、西語に通じたポリグロットですね。これらの外国語でもディプロが配信されているのですか。普段はどのように外国語を勉強していますか。

現在、ディプロは 22 言語で世界中で展開しています。なんとクルド語やエスペラント語版もあり、これほど多様な言語に翻訳されている新聞は他にはないのでは、と思います。

ここ数年は残念ながらフランス語と英語にしか触れられていません。ディプロで難解な記事に日々取り組み、仏語講師として上級レベルの生徒さんも教えるとなると、他の言語を学習する余裕がないのが正直なところです。上智の学部時代は、ご質問で挙げていただいた言語を同時並行して学ぶ毎日を過ごしました(笑)。NHK ラジオ講座を専用の機器に毎日録音して聴いていましたね。4年生のときには独、伊、露、西語の中~上級の特にネイティブの先生のクラスも受講し、どの言語も “中級” 以上の資格を取得しました。語学は自分に合ったペースで楽しく続けられることが重要ですね。習得したドイツ語を試したくてドイツを 2 カ月間放浪したこともありました。モチベーションがあれば語学学習はいっそう捗ります。

ディプロのお仕事以外にどのようなことを考えていますか。

ディプロの翻訳記事は基本的にウェブ発信なので、それとは別に書籍の翻訳にも取り組んでいきたいです。今年の秋には白水社の文庫クセジュから、フランスのボボ(=ブルジョワ・ボヘミアン)に関する翻訳本を出版する予定です。日本ではあまり知られていない現代フランス社会のさまざまな面を知ることができるので、オススメです。

ドキュメンタリーの字幕翻訳にも再チャレンジした い で す。 私 が 字 幕 を つ け た 1 時 間 半 の ド キ ュ メ ンタリー『ラ・デット/負債』を 2017 年にアンスティチュ・フランセ東京、早稲田大学、岡山大学で上映しました。細かい作業が多くて大変苦労しましたが、やりがいがありました。

フランス語講師もまだしばらくは続けていきたいと考えています。3 月以降、新型コロナウイルス感染拡大の影響で対面授業の開講は難しくなりましたが、プライベートのクラスをオンライン(スカイプと添削)に切り替えたことで難を逃れました。中級(プティリベ)と上級(ディプロ)クラスに分けて実施しています。

村松恭平(むらまつきょうへい)さんのプロフィール

愛知県出身。上智大学フランス語学科を 2008 年卒業、日立製作所に就職、その後東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士前期課程終了、ジュネーブ大学欧州研究所、東京外国語大学大学院博士後期課程単位取得満期退学、TUFS オープンアカデミーで「メディアで読み解くフランス語」「実践・時事フランス語」講座を担当。2017 年から現職。翻訳業。プライベートレッスンも開業。昨年 7 月には『わたしたちを救う経済学──破綻したからこそ見える世界の真実』 (ele-king books) を出版(共訳)。

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