石澤良昭教授 記念講演会「なぜフランス語か」 (4)「最初の井戸を掘ったソフィア・ミッション」(上智大学国際奉仕活動) 文化復興のための遺跡救済

NHK『プロジェクトX』にも取り上げられまして、JALの機内でも上映され、びっくりしました。番組では石工さんたちが訓練しているところが出てきます。
床に仏像274体を並べてみると場所がないぐらいでした。そして仏像ひとつひとつ裏側にバンテアイスレイ(BS)というマークをつけて、消されないようペンキで番号をふりました。もしサザビーズのオークションに流れたときには(闇に流れて古美術市場に出回った際には)戻ってくるように、インターポールに登録したのです。この発掘の成果はシハヌーク・イオン博物館収蔵展示されています。

シハヌーク・イオン博物館の建設


植樹のためにカンボジアに来ていたイオングループの岡田卓也さんが、2002 年 3 月に、上智大学アジア人材養成研究センターに立ち寄られ、発掘した仏像を見学されました。発掘された仏像を見て「これからこれをどうするのか?」と言うので、「公開したいのだがお金もないし場所も決まっていません」と伝えましたら、「イオン(公益財団法人イオン1%クラブ)が全額負担して博物館を作ります」ということになったのです。

2003 年 11 月、岡田委員長はカンボジアのシハヌーク国王に謁見し、イオン 1% クラブの支援による新博物館を建設する提案を行い、その名称を「シハヌーク・イオン博物館」とすることの承諾を得ました。

2007 年 11 月に博物館が竣工、11月 2 日に開かれた完成式典には、関係者約 450 人が出席。カンボジアのノロドム・シハモニ国王(2004年、シハヌーク国王の退位にともない即位)は式典で感謝の意を表されました。この式典をもって、上智学院理事長髙祖敏明からカンボジア政府に博物館が寄贈されました。アンコール地域遺跡整備機構(略称:アプサラ機構)により管理・運営され、一般に公開されています。(資料:『イオンの歴史 2020』p.277)

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