「今日のメンスト」は、その名の通り四谷キャンパスのメインストリートこと「メンスト」の「今日の様子」をお伝えする気まぐれ連載です。いつもとちょっと違う雰囲気なメンストや、いつも通りだけどちょっといいな・面白いなと感じたメンストなど、ソフィアンの皆さんにお見せしたいメンストの風景をゆるっとお届けします。
お気に入りの場所、ありましたか?
皆さんの在学中、学内にお気に入りの場所はありましたか?お友達とおしゃべりする場所、サークル員のたまり場、空きコマにひとりでゆっくりするところ。
筆者は2号館の1号館側が見える窓際に座って、ひとりでランチを食べるのが好きでした。特に2階以上のフロアで、なるべく人の出入りが少ない場所が好き。1号館前の通りの人通りを高みの見物しながら、ぼーっとしていたのをよく覚えています。
さて、こんな風に「母校の思い出の場所」をお持ちの方も多いのではないでしょうか。とはいえ、時代と共に大学も少しずつ変わっていきます。新しい建物ができたりメンストがリニューアルしたりと、上智も徐々に変容を遂げています。
9号館の中庭が素敵なガーデンに
皆さんが在学中、9号館の中庭はどんな雰囲気でしたでしょうか?筆者が在学していた2015年頃は、草木がたくさん・ところどころベンチもあって、迷路のような空間でした。これ以前(といっても今から60年以上前)も芝生やベンチがある場所ではあったそうですが、あまり多くの学生に馴染みがあったわけではないそうで、理工学部の学生が使う教室が多かった建物(3号館・4号館)付近であることから主に理工学部の学生が過ごしていたそうです。
その後9号館カフェテリアの完成と共に上述の迷路空間になり、今年新たに9号館アクティブ・コモンズ屋上庭園、通称「9庭」としてリニューアルしたという経緯です。
9庭はサスティナブルな視点で造られていて、リニューアルには学生職員も積極的に携わったそうです。
学生職員は広報、情報収集、制度設計に積極的に関わり、学生の目線や発想力・創造力を活かしてさまざまな活動をしています。
引用:上智大学 SDGs&サステナビリティへの取り組み
9庭の魅力をご紹介します
まず先に掲載した写真からお分かりいただけるかと思うのですが、全体的にとても解放感のある雰囲気。以前の迷路要素とは対極といった感じです。
再生木材ベンチ
メンスト側から見て右側にあるこちらのベンチは再生木材でできた環境にやさしいベンチです。再生木材は、間伐材の木粉と樹脂で作られていて、天然素材と人口素材の良い要素を組み合わせた素材です。テーブルもあるので、PC作業やランチ、おやつ時間を楽しむ学生が多く見られます。
レイズドガーデンベッド
「すべての方が無理のない姿勢でガーデニングを楽しめるように」というデザインのもと作られています。かがむのが難しい方や車いすを利用する方でも草花に触れることができますし、視覚に不自由がある方も自然な体勢で草花の香りや感触を楽しむことができます。
レイズドガーデンベッドには季節のお花のほか、ハーブや野菜も植えられています。雨がざーっと降った後は、ハーブの香りが一面にふわっと広がったり、真夏の日差しを浴びる夏野菜の苗たちの姿が見られたりと、大学にいることを忘れてしまうような感覚にもなります。
かまどベンチ
このベンチ、なんと災害時にかまどに大変身するそうです。座面の取り外し、中に入っている炭置きなどの部品を設置することで火を起こせるようになるんだとか。
近年、平時と非常時を区別しない「フェーズフリー」という防災に関する考え方が普及しつつあり、こういった商品を取り入れる施設や公園が全国的にも増えているそうです。
1かまどベンチあたり、2個のお鍋を煮炊きできます。
シーズナルプランター
大小あるこちらのプランターの植物は、提携先の温室との循環システムを採用し、シーズンごとに入れ替えられます。また上智学院サステナビリティ推進本部主導のもと、季節ごとの植物の植え替えテーマの学生アンケートも実施していて、今年の夏~秋にかけてのテーマは「平和 More for peace」に決定したそうです。現在は平和の象徴であるひまわりを中心とした植栽が9庭を彩っています。
そのほか、ヨットの帆をアップサイクル(廃棄予定であったものに手を加え、価値をつけて新しい製品へと生まれ変わらせること)したクッションも人気。コンセプトも使い心地も素晴らしく、いつ行っても誰かが寄りかかっているのですが、ビジュアルがあんまりよくないので写真はまたいつか。人をダメにするクッション的な感じですが、座った後、寝そべった後が付くので、いつも潰れています。
カラフルな丸い物体も柔らかい素材なクッションですが、あまり人が座っているところは見たことがありません。とはいえ、大きさや形、色合いがかわいらしく、9庭のイメージを構成する大事な一部です。
一人掛けのチェア&テーブルもあります。テーブル天板の裏側にはフックもあるので、荷物や傘を下げられるのも便利です。
新しい憩いの場・交流の場に
全体的に広々とした雰囲気の9庭。ベンチもひとつひとつ適度に距離がとられているので、ひとりでもお友達とでも人目を気にせずゆっくりと過ごせます。また、定期的にガーデニングワークショップなども開催しているそうなので、学生たちの新しい交流の場にもなりそうです。