狩野友信とともに(2) フォンテーヌブロー宮殿蔵「紅葉に青鳩図」への道  [明治を生きる友信の仕事 縮緬本の世界 フランス語の寓話に挿絵を]

左から鈴木松之助、狩野友信、鈴木花兄、狩野忠信

中央にいるのが、結婚したばかりの花兄。左隣が友信で、その左に陸軍の軍服を着た鈴木松之助が立っています。花兄の右側に立っているのが、狩野の宗家を継いで、友信と共に明治になってから狩野派を再興しようとした狩野忠信(かのうただのぶ)です。

長い間、どうして祖母が陸軍の軍人と結婚したのか疑問だったのですが、今となってはよくわかります。奥絵師や奥医師は幕末までは旗本扱い- 「御目見(おめみえ)」といって帯刀も許されて将軍に直接会うことのできる地位だったわけです。明治になって娘の将来を考えて軍人に嫁がせたのかなと思います。

狩野友信、花兄、威一、万亀子。後列は綱。

晩年の友信は、ここに写っている孫たちをとても可愛がったのだそうです。ところが私の母の兄と姉にあたる、威一(いいち)と万亀子(まきこ)は病気で幼くして亡くなってしまい、ずいぶん経ってから母が生まれたので、「長生きするように」と「安久里(あぐり)」という名前がつけられました。

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