何とか、1972年に卒業できた僕はNHKの報道カメラマンとして就職し、奈良、仙台、東京、そして1986年にはパリのヨーロッパ総局に赴任し、1989年まで家族4人での海外生活も経験しました。1968年入学のフランス語学科生のなかで今でもフランスで生活している同級生は、カンヌのMHさん、ディジョンのHN、NN夫妻、モンペリエのNMさんがいます。また後輩になりますが文筆活動等でよく知られた浅野素女さんとはパリのNHKで一緒に仕事をしたこともあって、今でも家族でおつきあいをしています。
1989年11月9日のベルリンの壁の崩壊や1991年8月に始まった湾岸戦争などが報道カメラマンとしては最後の仕事になり、毎日のように重いカメラを担いで駆け回っていた仕事から解放されました。それからはテレビ番組のプロデュースなどの仕事をし56才で早期定年退職。その後関連会社の一つに再就職、『クロースアップ現代』の英語版、『Today’s Close-Up』というNHKの海外向け番組制作に7月まで携っている予定です。
フランス語科1年先輩のMSさんは今年のカンヌ映画祭に行きますが、僕はそれもないので8月からは週に何回か映画館に通い、フランス映画をはじめなるべくたくさんの映画を見ることにしています。また以前は妻と時々行っていたパリに、コロナ禍で行けませんでしたから是非近いうちにもう一度、今度は妻の車椅子を押しながらになるでしょうが、フランスに行ってパリの友人と、しどろもどろのフランス語会話を楽しんだり、在フランスの友人たちと美味しいワインでも飲みたいと思っています。