狩野友信とともに(2) フォンテーヌブロー宮殿蔵「紅葉に青鳩図」への道  [明治を生きる友信の仕事 縮緬本の世界 フランス語の寓話に挿絵を]

上智大学フランス語学科同窓会・オンラインイベント(2022年10月15日)

山田久美子さん(1975年卒)による講演会の全文(2)

抄録を会報41号(2023年2月25日発行)に掲載

図版は原則として『狩野友信―最後の奥絵師、幕末・明治を生きる』(水声社、2021年)掲載のもの、および講師所有の写真。
それ以外については出典を図版の下に明記する。

狩野友信とともに フォンテーヌブロー宮殿蔵 「紅葉に青鳩図」への道 (1) はこちら
狩野友信とともに (3) 皇帝ナポレオン3世に献上された幕末遣外使節団贈答品 はこちら

家族アルバムから 

ここからは母の手元に残っている家族アルバムから友信の写っている写真をご紹介します。 

揮毫中の狩野友信 

これはお座敷で絵を描く友信です。周りにいるのは誰だかわかりません。

狩野派の伝統的な絵の描き方は、手を真っ直ぐに伸ばして描くという姿勢です。左手をついて、紙や絹を広げたところに手を伸ばして描くわけなのですが、これを見たくて外国人が友信を訪ねてきました。

左から狩野花兄(はなえ)、千賀、綱

友信は最初の妻に先立たれて再婚し、四男四女に恵まれました。
ここに写っているのは2度目の妻、千賀(ちか)で、左側には三女の花兄(はなえ)、右側に四女の綱(つな)がいます。
花兄が私の母方の祖母になります。

友信に似た目の大きな人で、背も高く、府立第一高等女学校に通いました。明治21年、東京美術学校開校の前年に生まれ、昭和20年、戦争中に亡くなりました。絵の上手な優しい人だったそうです。


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