南さんは一曲ごとに、時代背景、歌詞の意味を説明してくれました。例えば、第二部トップの曲「Douce France」は、フランスがドイツに占領されていた1943年に発表された曲で、レジスタンス運動に参加していた人々をはじめ多くのフランス人の愛聴曲になったそうです。おそらく祖国フランスを歌うこの歌を表立って歌うことはできなかったことから、ラジオから流れている曲を多くの人が聴いたのだろうと。
プログラム最後の曲「Le temps des cerises」では、原詩が韻を踏んでいるとの説明がありました。フランス語で歌わないと、原詩の美しさや意味が失われてしまうと考え、「たとえつたなくても(いえいえ、素晴らしいフランス語です)、フランス語で歌い続けている」ということばから、フランスのことばと文化を大切にされていることが伝わってきました。
「今回が最後になるかもしれません。でも万が一にも次の会があったらぜひまたお会いしましょう」と締めくくられた南さん。次のソロ・コンサートも楽しみにしています!
(文責:AADEF会報チーム 水口景子 1980 年卒)
(写真撮影:水野雅之 1993年卒)
