香りの愉楽 ~新しい香りの魅力を発見する~  平野佐和さん(1989 年卒)

■ 聖書に登場した香料 

3 番の香料はフランキンセンス。オリバナム、乳香ともいわれ、乳香樹という木の幹を削ると流れ出る乳白色の樹脂です。
イエス生誕の際に東方の博士達が、この世で最も貴重な三つのものとして捧げた貢物の一つであると新約聖書の話に登場します。現在でも教会で焚かれています。
この香料の一番上等なものをもっているのはバチカンだそうです。お試しいただいているのは樹脂を蒸留して得た精油です。 

4 番はミルラ。フランキンセンスと同様にイエス生誕時の貢物の一つです。没薬樹の樹脂で、ミイラを造るために用いられたといわれています。
香料は宗教上、無くてはならないものであり、人の文化が発展した背景には香料の存在がありました。 

■ 空間を香らせるエレガンス 

1 から 4 番の香りをこの教室入り口にスプレー回数で 調合して漂わせます。皆さん移動して香り方を実際にご確認ください。調香するとイメージはより抽象的になります。
空間を香らせる、目には見えないさりげなさがエレガントではないでしょうか。 

5 から 7 番はフレグランスです。どんな人、場所、時に 用いられると良いかを想像するのがポイントです。

1 2 3 4
目次
閉じる