街中でフランス語を耳にすることがあります。そんなときちょっと懐かしい思いがして気の利いたフランス語で話しかけることができたらなと思いませんか。
学生のときにあんなに勉強したのに。でもいまさら、とおもっている卒業生のために、田中幸子先生の近著『フランス語で話す自分のこと日本のこと』(「卒業生の著書」に紹介)を中心にお話を伺いました。
この本にはCommuniquer en français, le Japon et moiという副題がついています。communiquerが特に意識されているようですね。本誌の読者には実用的だと思いますが。
はい、そうですね。相手と自分のあいだに気持ちが伝わる、「なるほど」と納得することや新しく知る情報がある。communiquerとは、そういうことだと考えています。
わたしたちの生活のなかで周りの人たちとの毎日のcommunicationは幸せの素になりますね。フランス語でも日本語でも英語でも同じではないでしょうか。
自分のことや日本のことは、繰り返しいろいろな場面で扱う話題だからこそ、気持ち良く、自信をもって話したい。その方法を扱っています。
この本は、どんな悩みにこたえてくれるのでしょうか。この本を使ったら、フランス語の悩みが解決できるでしょうか?
「自分のことばで」と思っても、質問されると脱線しそうでパニック。説明が長すぎるのか、相手の人に途中でさえぎられる。抽象的な質問に戸惑い考え込んでいるうちに話題が移ってしまい尻切れとんぼで、がっかり。…こんな経験が積み重なってフランス語から遠ざかっていませんか?私自身もそんな失敗をたくさん重ねてきました。
知識として、自分の話題の引き出しとして、持っておけば使いまわせるものと、相手とのダイナミックなやりとりのなかで身につけるもの。この両方の側面を意識できるようにと考えました。