いまからまた始められる フランス語学習 『フランス語で話す自分のこと日本のこと』  田中幸子先生に訊く

音の教材として付属されているCDの他に出版社(白水社)のHPから音源をさらにダウンロードして副教材にするという試みは斬新ではありませんか。

 本に付属の音源だけでは会話の実例が全部入りきらないので、一部を出版社のHPからダウンロードしていただくようになっています。
具体的には各ユニットの3ページ目の「発展」の部分−相手の人からの質問への答の例の部分−がダウンロードできるようになっています。本の文面と合わせてご利用ください。

ダウンロードはこちらから

 最近はこのように音源や付属の学習材料を提供する方法が珍しくありません。インターネットからいろいろな材料を手にいれて学習できる時代ですね。

田中先生の『Eメールのフランス語』(2008年刊、 2015年増補版刊行)、『語彙をひろげる7つのテ クニック』(2012年刊行)、そしてこの『フランス 語で話す自分のこと日本のこと』(2017年刊行) を読むとフランス語を学ぶモチベーションの変化 を感じるのですが。

『E メールのフランス語』は「書いて伝える」と いう連載から生まれました。伝言メモや絵葉書、 お礼の手紙や問い合わせ、招待状など、媒体や目的・相手との関係によって伝え方が変化すること を扱いました。メールでいろいろな内容の連絡を することが一般的になりましたが、だからといっ て紙の媒体がなくなったわけではありません。本の題名は「E メール」ですが実は「書いて伝える」 メッセージの組み立てかたを扱っています。

『フランス語で話す自分のこと日本のこと』は、 フランス語圏から日本へたくさんお客さんがやっ てくる今、フランス語圏へ出かけて話をすること が普通になった今、どんなふうに説明したら相手 の人たちと通じ合えるだろうかという考えから生まれました。(注:電子書籍版もあります。

異文化に属する人が目の前にいる状況でコンパクトにまとめて話すこと、質問に応えて話を展開する、相手の様子をよく観察して、 たじろがずにやりとりできる方法を扱いました。

違いを認めながら考えを分かち合うことが大切な時代にあって、特に必要なことだと思います。自分も日本を離れてみて、そういう話題を扱うことが日常によくあります。 

『語彙』の本は、話しことば書きことばを問わず、いろいろな状況で使うフランス語を、どれだけ豊かなものにするのか、底力を鍛えるために必要なものとして考えています。
(注:『中級者のためのフランス語語彙力アップ1500題』2019年12月刊行、白水社。)
日々の新しい話題や社会の動きにつれて、ことばも移り変わっていきます。前から知っていて無理なく使えることば、意識して使ってみることば、新しく覚えることばを楽しんでいければ良いですね。

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