いまからまた始められる フランス語学習 『フランス語で話す自分のこと日本のこと』  田中幸子先生に訊く

英語圏(アイルランド)でどのようにしてフランス語のアンテナを張っているのですか。

毎日の会話は英語が圧倒的に多いので、フランス語がどうしても痩せてきます。
フランスにも日本にも長年の親しい友だちが何人もいますので、電話で話したりメールで近況を伝えたり、時々は訪ねて行ったりします。

また、アイルランドに引っ越してすぐに、長年アイルランドに住んでいるフランス人マダムたちに出会って「読書会」のグループに入れてもらいました。月1回ランチに招待し合っておしゃべりしています。フランス人ではない私も加えてもらって話す練習です。

2018年6月 東京・銀座でイザベル長谷川先生と

インターネットではもっぱら le Monde を流し読みしています。Brexitの話題やアイルランドのことなど、英語で目にするアイルランドの新聞や BBCなどイギリスのニュース、連れ合いから英語で聞かされる話とフランスの報道を比較しながら受け取っています。
フラ語卒業生の村松恭平くんがLe Monde Diplomatique日本版の情報をfacebookでシェアしてくれるので興味深く拝見しています。 https://www.facebook.com/lemondediplo.jp/ 
ホームページはhttp://www.diplo.jp/ 

そして何よりも、フラ語卒業生の皆さんが日本で、世界各地で活躍し生活を楽しんでいる姿をSNSで見せていただくことが田舎の静かな暮らしのなかで刺激になります。フランス語や英語で発信している人もたくさんいて、とても素敵です。

最後に、一連の著書を刊行されてお気づきになることをひとこと。

大学で教えているときには、授業で扱うことのできる内容には時間的にも制約がありましたが、本で扱う内容はもっと自由で、どこまでも広がっていきそうです。
いろいろなことを経験されて、多様な分野に興味を持っておられる、広い年齢層の読者の方々を想像して書いています。

大学で勉強したフランス語をまた思い出して、楽しく続けていただくのに役立てていただけたら、ほんとうに嬉しいです。
ご意見やフィードバックも、もちろん大歓迎です。

プロフィール紹介:田中幸子名誉教授

1976年入学、フランス政府給費により1979-1981年フランシュコンテブザンソン大学に留学。1982年フランス語学科卒
1987年 上智大学大学院外国語学研究科博士課程満期退学(修了)
中国帰国孤児定着促進センター、埼玉大学大学院政策科学研究科、筑波大学留学生教育センター他で日本語教育に携わった後、
1989年外国語学部フランス語学科に着任。
2007年~学科長、2009年3月退職。
オーストリアを経て2013年からアイルランドに在住。

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